マナーとしてメールの挨拶文は「はじめまして」ではなく「お世話になっております」を使おう、という考え方

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on LinkedInShare on Google+

【これは約 8 分の記事です】

メールの書き方マナー、新人研修や情報システム関連の研修で習うこともあるかと思います。

そのメールマナーの中で、以前私が違和感を感じたものがありました。今は違和感を感じていませんがそれは後で理由を書きます。

そのマナーとは

初めての相手でも「お世話になっております」とメールの挨拶で書く

といううものでした。そのメールマナーの講師は

「初めての方でも会社としてお世話になっていることがあるので、『はじめまして』ではなく『お世話になっております』と書いてください」

という説明をされていました。

「お世話になっております」はメールマナーか

この考え方、どうもその先生一人だけではないようで、別の会社のPC研修でも同じことを言われました。私の記憶では会社変わるなど何かのタイミングで習ったPC研修で3回同じことを習いました。

マナーに対する違和感

私はこのマナーに違和感を持っていました。

  • 初対面でも「おせわになります」をマナーと決めたのは誰か、出典がわからない
  • マナーの裏付けとなる考え方は人それぞれで強制力がない
  • 「はじめまして」という事実を書くほうが、相手に情報を渡すことになって合理的

なので、マナーだからと言われて鵜呑みにするのはよろしくないだろうと、はじめは思っていました。

マナーに従わない文体のメールを、スパム判定する

ところが、ふと、自分のメールの自動フィルタリング結果を見て、考えが変わりました。

「スパムに振り分けられているメールを見るとかなり『はじめまして』が多い」

何故そうなるかの裏付け検証は、条件を整えるのに手間取りそうなのでしていないのですが、「はじめまして挨拶メール」がスパムに振り分けられる理由は、おそらく以下です。

  • 普段やり取りしている人が「はじめまして」を使うことはない
  • スパムメールを送る人間は「メールマナーとして初めましてを使わない」を知らない可能性が高い

考えをまとめるため、以下のようなマトリックスを作ってみました。

なお、比率はあくまで説明用マトリックスを作るための仮の推定で、数値そのものにツッコミを入れることは可能です。

(他の挨拶、という選択肢もありえますが)

スパマーか否か 「お世話になります」マナーを知っている メールの比率(仮) 挨拶文 メールの比率(仮)
スパマー 知っている 20% 「はじめまして」 0%
「お世話になっております」 20%
知らない 60% 「はじめまして」 50%
「お世話になっております」 10%
お客様 知っている 15% 「はじめまして」 0%
「お世話になっております」 15%
知らない 5% 「はじめまして」 ほぼ0%
「お世話になっております」 ほぼ5%

先程、「数値は仮のものなのでツッコミどころはある」と述べましたが、ここで重要になってくるのは数値そのものではありません。

  • 自分の知っているお客様が「はじめまして」と挨拶をすることはほぼない
  • あっても1回だけ
  • だが、スパマーが「はじめまして」を使ってくることは高い頻度でありうる

ということです。そうすると

「はじめまして」と書かれたメールはスパムとして弾いても確率的にはハズレが少ない

ということになります。

最近のスパム判定(ベイズ推定を使うもの)は

「過去のメールで使われていた言葉や用法を元にして、新規メールのスパムの確率を弾き出す」

ので「はじめまして」の挨拶メールは、もしかしたらこれで引っかかるのかなという気もします。もちろん、他の因子もありうるので、断言はできませんが。

統計上の因果関係

ここで注意が必要なのは

「はじめましてメールがスパムである」は、統計上の因果関係であって、原理上の因果関係ではない

ということです。普段メールのやり取りをする人が「はじめまして」を使うことがない結果、この統計的因果関係が成立しています。

また、論理学を学んだ人であれば

  • スパムメールで「はじめまして」を使われているからと言って、「はじめまして」を使うメールがスパムであるとはいえない。

と考えるでしょうし、それは正しいのですが、確率付きの推論とはそういうものなのです。

また、「はじめまして」がどれくらいの重み付けでスパムと判定されるか、という問題はあります。確かに他にも判定基準があるため、重み付けは検証の必要はあるかもしれません。因子を洗い出すのはかなり大変そうですが。

マナーによって、因果関係を作ってしまう

これを、原理上の因果関係に変える方法があります。それは

「メールのマナーとして、初対面であっても『初めまして』は使わない」ということを教育すること

です。そうすると、

  • スパマーはメールマナーをきちんと知らない
  • メールマナーを知らない人は「はじめまして」という挨拶メールを送ってくる
  • 「はじめまして」メールはスパムとして弾いて良い

といことになります。「はじめましてメールだからスパムメールだ」は因果関係が統計上は逆なのですが、そう教えることで、高い確度でスパム判定が出来るようになります。因果関係を人工的に作ってしまうのです。

「はじめましてメールだからスパムメールだ」を当てにならない方法にするやり方は、理論上2つあります

  1. 「はじめましてメールこそマナーである」という考えを浸透させる
  2. 「はじめまして」をスパマーが使わないようになる

ですが、1は普段やり取りする方とのメールで「はじめまして」は1回してか使わないため、影響力が殆どありません。普段のメールを「はじめまして」で返していたら、その人の見識は普通疑われるでしょう。2は、それこそ「初めましてを使わない」がマナーとして浸透した、ということです。現実的に全てのスパマーがマナーを知る状況はありえません。

私は、普段はあまり「マナーだから遵守してください」とは言いません。法令などと違って、マナーはだいたい誰かが勝手な考えで作り出したものだからです。江戸しぐさなど、まさに、どこが出典かわからないマナーと言っていいです。

が、メールの書き方に関しては、マナーを遵守する方がいいです。マナーを守らないメールはスパムとして自動判定されてしまう可能性が高いからです。

HTMLメールを使うなマナーも、同じことが言える

同様なマナーは「はじめましてメール」だけでなく、HTMLメールにもいえます。その話はまた別の機会に。

「マナーとして挨拶として『初めまして』は使わない」の最初の出典はどこか

統計因果関係上、「初めましては使わないほうがいい」とは申しましたが、

出典がどこかわからないマナーに従っていいかは別問題

です。出典ご存じの方は、是非情報いただけるとありがたいです。

---最後までご覧いただき、ありがとうございます---

[PR] 今までの実績等を御覧ください。
弊社は情報セキュリティ教育・研修・コンサル業務を行う会社です。

まるおかディジタル株式会社

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on LinkedInShare on Google+