「ふるさと納税」は自分中心に動く人間の性質を考慮した設計になっていない

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【これは約 4 分の記事です】

6月になり、ふるさと納税も新制度になりました。

「ふるさと納税、セキュリティのお仕事と関係あるの?」

私にとっては直接は関係ない、大多数の住民レベルでしか関わりません。

ただ、「ふるさと納税」の設計については、セキュリティ解説者としては考えることがありますので、ブログに投稿。

泉佐野市の手法を他の自治体がとることを泉佐野市は許容できるか

ふるさと納税では、大阪泉佐野市の納付者収集のためのなりふり構わない返礼品の選択と還元率が問題になりました。

この返礼方式は他自治体でも真似できます。もし財力をもった他自治体が、泉佐野市の戦略を真似たら、泉佐野市は太刀打ちできなかったでしょう。泉佐野市が税収が増えたのは、他の自治体に節度があったからに他なりません。

おそらく、他市町村が真似たら泉佐野市はその市町村を批判します。

泉佐野市のふるさと納税戦略は

「自分達以外が実行したら困る戦略」

なのです。その意味で、戦略的にはやるべきではない戦略。

身勝手さを考慮にいれないシステム

ただ、ふるさと納税のシステムにも問題があり、「個人や自治体が自分中心で身勝手に動く」ことを全く考慮していません。

個人は還元率が高い返礼金を求めるのは普通でしょうし、そういう個人をターゲットにして返礼品を設定しようとするのは当然でしょう。ふるさと納税の主旨など自分中心な参加者にとってはどうでもよいのです。

そういう自分中心の自治体に対して、総務省が控除の除外を設定するのはわからないでもないですが、これの問題は「総務省が自分都合で控除の有無を決めることができる余地を作ること」です。これはこれで総務省の身勝手を許す余地を作ります。

ふるさと納税の仕組みは

  • 納税者は返礼を最大にして得したい
  • ふるさと納税を受ける側の自治体は出来るだけ納税を集めたい
  • ふるさと納税を納める住人のいる側の自治体は納税の減りを減らしたい

という3者の身勝手を前提に設計する必要があるのです。

参加者が身勝手な前提での仕組み作り

罰則がないかぎり、返礼を出す自治体は高額でインパクトがある方がよいので、歯止めが効きません。逆に納税額が減る自治体には流出をコントロールするすべがありません。

どうすればよいかを軽々しくのべるのは危険ですが例えば

  • 還元率は一定範囲内で自由に自治体が定められる
  • ただし、自治体内の住民からの税金は、還元率分下げた金額にする

つまり、還元率の高い自治体の住人はその自治体への税金納付が減る仕組み。

こうすると

  • 税収の高い自治体は防衛策として、返礼還元率を下げるかなしにする
  • 税収の低い自治体は、住民からの税金が低くなることのトレードオフで還元率を設定できる
  • 還元率の高い自治体の住人にとっては減税なので、その分別の経済活動に利用できる

もちろん、手続きの煩雑さなど問題があります。これは思い付きのレベルにとどまります。

考慮すべきことは「社会システムは、身勝手な参加者が多数を占めるという前提で設計しないとうまく動かない」ということなのです。

佐藤英治

情報処理安全確保支援士第5338号。ネットワークスペシャリスト。防災士。ITコーディネータ。IPA登録セキュリティプレゼンター。

東北大学大学情報科学研究科第2期生。1994年からインターネットに携わる。システムベンダーの総務社内SEとして、社内システムの構築運用や従業員教育に関与。2015年情報セキュリティ専門法人「まるおかディジタル株式会社」を福井県坂井市丸岡町に設立し現在に至る。研修では基本的に着物でお話させていただいております。

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